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青春論
さて、ここで全く何気ない顔をして話題を変えるのだが、青春論である。前項までとは本当に関係ない。この枠でエッセイ的なことを書きたくなった、というだけのことである。
青春とは何かといえば、子供が大人になる過程の不安定な一時期のことであろう。子供が大人になるとは、他者の他者性に気づき受容することであろう。他者の他者性とはすなわち、お互いに相手のことを知らず、理解できないが、努力の積み重ねによって理解しあえる可能性があること、であると思う。
この他者性との出会いの最たるもの、そして最も一般的であるものが、異性愛である。何故少年あるいは少女が異性愛で躓き傷つくかといえば、この異なる肉体と気質をもち、何より性に対する欲望の在り方が異なる対象について、無知であるからである。
そして異性愛への恐れと不安の段階にある少年あるいは少女が、同性愛的友愛の世界にとどまろうとするのは、まったく自然なことなのである。
この他者性を持つものは、何も人間だけではない。世界も社会も、少年あるいは少女にとって未知なるものであり、それまでの経験——家族や同年代の同性の友人関係の延長からは理解しえない原理とルールに基づいて動いている。
だから青春とは、未知なるものへの不安と憧れの時期ともいえる。
厳密な話をするととめどなく長くなりそうだが、おおざっぱに言えば、そういうことだと思う。
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