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「プロの方を呼んで下さい」
緊張しながらそう言うと、「どういった内容をご希望ですか?」と電話の向こうの声が言った。
声の感じから、おそらく50代くらいだろうか。人にアドバイスを与えることに慣れている、落ち着いた響きの声だ。
日菜子は受話器を持ったまま考え込んだ。はて、自分はどういう内容を望んでいるんだろうか。
「そうですね、できれば人に迷惑をかけず、でも決定的な何かがいいな、と思うんですが」
「なるほど。人に迷惑をかけないとなると、犯罪系は無しですね。窃盗とか詐欺とか、殺人とか」
「殺人」
「そう、殺人」
しばらく考えて、注意深く答える。
「えっと、そうですね、そこまでは、とりあえず無しで」
「了解しました、ではそれ以外の方向で一番頼れるプロを手配しますね」
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