91人が本棚に入れています
本棚に追加
役目
年は俺より少し上か?それでもジム通いと高級エステで磨かれた体は、年齢なんか感じさせない。それどころか、重ねた年齢のせいで俺よりも奔放に性という欲を剥き出しにする。部屋に入るなり、ドレスをたくしあげ俺の手をぬるりと湿ったソコに導く。鍵はかけない。もしかしたら誰かが入ってくるかもしれないという少しの緊張が、さらに感度を上げるらしい。
___まったく女ってやつは…
せわしなく口の中で動き回る舌を軽く噛んで、唇から流れる唾液も交換していく。とても綺麗とは言えない行為を、ベッドまでたどり着く前に繰り返す。まるで何かに取り憑かれたように。
地位も金もある女は、こうやって屈辱的に扱われることに悦びを見出すらしい。ただし、相手はそこそこのいい男じゃないとお気に召さない。
高級そうなドレスを、破らない程度に荒く脱がせていく。大会社の女社長は、俺の前でただのメスになっていき、俺はただひたすら、このメスの欲望を満たすように、ありとあらゆるワザで快感を与え続ける。
「ね、もう…ここで…」
「ベッドにも行かずに?」
「ベッドは2回目ってことで…お願い…いれて…翔馬が…欲しい…」
◇◇◇
パーティー会場があるホテルには、招待客の何人かが酔い潰れてもそのまま泊まれるように部屋がとってある。鍵は会長から預かっていた。
___「誰かが酔い潰れたら、使えばいい。介抱するには部屋が必要だからな」___
会長のその言葉の意味はすぐに理解できた。娘の婿というより、安く使えるホストという扱いだ。そのため、香澄がパーティーに参加することはなかった。日常には特に面白いこともない毎日だから、これはこれでいい退屈しのぎになった。
俺が相手をするのは、独身の女社長がほとんどだ。どんな働きをしたか?それはその後の女社長と門倉ホールディングスの関係でわかる。
「なかなかいい働きをしてくれてるみたいだな、翔馬」
どうやら会長には認められたようだ。
最初のコメントを投稿しよう!