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写真
《会社で大きなミスをしてしまって、落ち込んでます》
そんなLINEが届いた。これはチャンスじゃないか?
〈それはきっと、僕のことを考えてくれてるから?なんて思うのは、思い上がりかな?〉
ちょっとずつ、恋愛感情のようなものを出していく。
《もしかしてそうかもしれません。いけませんよね、仕事はちゃんとしないと》
〈そうだね。でも僕もミハルのことを考えてしまって、仕事に穴をあけそうになってしまうよ。どうしてだろうね?〉
こちらからは、具体的には“好き”と言わない、それはまだ後のことだ。
《そんな…。でもだとしたらうれしいです。こんな私のことを考えてくれるなんて》
〈不思議だよ、文字だけのやり取りなのに。そうだ!もっと近くに感じられるように写真を交換しない?〉
ここでふと思う、とんでもない女だったらどうしようか?と。夫にも子どもにも“女として終わってる”なんて言われたと言っていたけど。
《写真、ですか?そんな、翔馬さんに見せられるようなものじゃないです》
___普通はそう言うよね?
〈じゃあ、こっちから先に送るから、ミハルは写真の準備ができたら送って!〉
写真フォルダから、特別爽やかに撮れている写真を探して添付する。
《うそ!これ本当に翔馬さんですか?雑誌のモデルみたい、イケメンですね!》
その返事を見てほくそ笑んだ。
___これで、会いたいと言ってくるだろう
〈そうかな?でも、そう言ってもらえるとうれしいよ。だから、ミハルの写真も待ってるからね〉
おそらく、ダイエットやおしゃれをしてから写真を送ってくるだろう。それまではミハルの気持ちを高めるようなLINEをして、待つことにした。
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