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「だって……」
簡単には受け入れて貰えない。それどころか一生許して貰えなくても構わない。
そう思っていたはずなのに、完全なる拒絶に涙が出そうになるのを、グッと堪える。
私には、泣く資格なんてないんだから。
「私のせいで、カリナはずっとひとりぼっちだったでしょう?
ひとりぼっちは本当に辛いわ。寂しくて悲しくて
それでも誰にも助けて貰えない。
わかってたはずなのに、私のせいでカリナをそうしてしまったから……」
「ラシール侯爵家のご令嬢ともあろうお方が1人で寂しい思いをなさるのですか?
貴女は、侯爵様ご夫妻にもとても愛されているではありませんか」
思わず思い出した前世を引き合いに出してしまった。
カリナに謝りたいと思った一番の理由はこの記憶が蘇ったことだったから。
それでも、カリナは何を言ってるんだこいつは。というように呆れた顔をしている。
実際、今世の私は前世のような思いは一度もしたことがないから、カリナの言うことは間違っていないんだけども。
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