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「夢を……見たの」 「夢ですか?」 前世云々は言っても信じて貰えないだろうから、もうこう言うしかない。 「夢の中の私は、とても貧しくて。 両親から愛される事もなかった。それどころか、働いて手にしたお金は全部取られてたわ」 いきなり何を言い出すんだと思われているかもしれないけど、カリナは黙って話を聞いてくれている。 「ずっとひとりぼっちで生きていて、寂しくてたまらなかった。 誰か助けてって言いたくても、両親にそのことが知られるのが怖くてそれも出来ないの」 前世を思い出し、涙が溢れそうになるのをグッと堪える。 「そんなひとりぼっちの辛さを知っていたのに、そのことをすっかり忘れてカリナに同じ思いをさせてしまっていた。 それが本当に申し訳なくて、自分が情けなくて……」 「夢の話なのに、知っていた……。忘れてた……か。これってもしかして……?いや、そんなまさか」 カリナが何かブツブツ言っていたけど、その声はとても小さく私の耳には届かなかった。 「だから、許して貰えるとは思ってない。 そんなことを望む資格もないのはわかってる。 だけど、せめて謝らせて欲しいの。 今まで、本当にごめんなさい……」 きっと許してなんて貰えない。 それでも、申し訳ないと思ってることだけでも信じて欲しい。 いや、それすらも傲慢な考えなのかもしれないけど。 そう思いながら、私はカリナに深々と頭を下げた。
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