戸惑いの蜜月

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わたしの両親にきちんと謝罪をしてくれた祥さんと同じように、今度はわたしが頑張る番だ。 きちんと彼のご両親に頭を下げて「これからよろしくお願いします」と言わなければ。 そんな決意を胸に、『香月』と表札のかかった門をくぐったのだけど―――。 (結局、祥さんのご両親にはまだご挨拶できてないのよね……) 同居のご両親にきちんとしたご挨拶を、というわたしの意気込みは見事に空振り。彼のご両親はこの家には住んでいなかった。 彼のお父さまである香月リゾートの前社長は、一年前に会社を祥さんに譲り、ご夫婦そろって東京を離れたそうだ。空の家は傷むという理由で、祥さんは一人でこの家に住んでいるのだという。
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