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1.「アイツ転生したってよ」
私は貴音。
どこにでもいる女子大生その1だ。
……という呑気な挨拶が出来るほど精神は安定していない。現在進行形で。申し訳ない。
今、電話越しに訃報を聞いたところだ。
———和人が交通事故に遭って、そのまま亡くなったと。
和人は私とどのような関係か。
一言で片付けるなら、『幼馴染』だ。それ以上でもそれ以下でもない。強いて言うなら『仲が良かった』とでも付け足しておこうか。
………あぁ、ダメだ。頭回んない。
訃報の電話も要件だけ聞いてさっさと切ってしまったくらいだ。今日はもうそっとしておいてほしい。
私は自室のベッドに倒れ込んだ。
そしてびっくりする速さで意識が消えていく。
枕が濡れていることに気がつかないくらいに。
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