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魔女学校1年組のクリス・ユリアは人間の父と魔女の母のハーフである。にもかかわらず魔女学校での成績はいつだって優秀。スポーツも勉学も完璧な彼女。しかも100人中95人が振り返るような、美形な顔立ち。ただ人には必ずしも得手不得手がある。彼女は、恋愛が下手だった。昔から才色兼備な彼女には色々な男がよってくる。中には強引だったり、自己中心的な人もいて、とても恋する気にはなれなかった。
彼女は今日もいつも通り夜遅く魔女学校から家へ帰っているところだった。突然ふっと何が目の前を横切って行った。何かと思って、目で追うと自分と同じ位の歳だろうか、15歳くらいの人間の少年だった。こんな時間に人間の少年がいるのは珍しい。この街でなにか事件が起きるのも面倒なので、声をかけてみる。
『こんばんわ、私今塾の帰りなんだけど、君はこんな時間にどうしたの?』もちろん塾は嘘である。すると少年は驚いた顔でこちらを向いた。
『僕が見えるの?』と言いながら泣き出したのだ。聞いてみると彼は数日前この辺で事故を起こし、死んだらしい。
『えっ じゃあ君は幽霊なの?』
『うん、そうなんだと思う。ここ数日誰に声をかけても無視されるし、壁も通り抜けられる、あとね僕の遺影のお葬式があったんだ。』と言いながら彼また泣き出した。"でも、なんで私に見えるんだろう。今まで霊感なんてなかったのに。しかも死んだら黄泉の国だか天国だか地獄だかに行くんじゃないのかな。"
『じゃあ君は未練があるの?』
『えっ?』
『え?わかってないの?死んだ人は黄泉の国だか天国だか地獄だかに行くんじゃないのかな?それがまだ出来てないってことは君は未練があってまだ死の国へ行けてないんじゃない?何か未練はないの?』
『えーあ〜。うん、彼女とイチャイチャとかしてキスとかしてみたい。とか?』
"あーふんわりしてる。でも、この感じだと成仏できるように協力した方がいいよな。うん、悪霊とかになっられたら困るし。"
『協力するよ。名前は?』とびきりの営業スマイルで聞いてやった。案の定彼は、キュンとした表情で
『狩野光(かりのひかる)です!よろしく。』
『クリス・ユリアよ。一応言ってておくけど、魔女と人間のハーフよ』
『へーまじ!?よろしくユリア』
こうしてユリアと光のちょっとおかしな恋人ごっこが始まった。
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