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―
「 ねぇ! おかね かして!
おねがい!」
「 あの どちらに
おかけですか … 」
「 そんなこといわないで!
おかね! かして!」
「 すみません ばんごう を
おたしかめください 」
… ぴ
—
わたしには それほど
その こえ が だれ なの か
わからなかった
それくらい ずっと ははおや とは
はなれた ところに いた
―
わたし ちいさいころ ははおやから
" しつけ ” の ぼうりょく されてた
ははおやは
「 ひとさまに
めいわくかける わるいこ
うんじゃったから … 」
かぞくに も
まわりの ひとに も
そんなことを なんどもいって いて
わたしが
おさなくて まだできないこと とか
まだ
ちいさいから しらない こと
そんなこと を
なにか すこしでも まちがえる と
" ぼうりょく ” ふるってくる
それを
" しつけ ” って
ははおやは いって た
そうじゃないのに ね …
って わたしはおさなくても
わかってた
だから テーブルにだされた
のみものの コップ
うっかり たおして のみもの
こぼしちゃった だけ で も
てを たたかれ かみを ひっぱられ
バスルームに つれていかれ て
あたまから つめたい みずのシャワー
いきが できないのに
わたしが うごけない よう に
おさえられて ずっと みず
かけられた まま …
「 ゲホゲホ!」
「 ごめんなさい! 」
「 ・・・・ 」
だまってるけど
こわいかおで にらまれたまま
ずっと ずっと これが つづいた …
―
でもね …
ははおやって ひとりの にんげん で
みんながみんな じゃないけれど
おとなだって いろいろなひとがいて
そんな なかには
こどもに こわいこと つらいこと
いやなことする " ひと ” も いるの
こどもは おやが すきなのに ね
わたしも おかあさん すきだったよ
だから かなしい けれ ど …
—
ね! じぶんで たしかめて!
ぶたれたら " いたい ” よね
こわいかお されたら " かなしい ”
よね
おおきなこえで どなられたら
" こわい ” よ ね
でもね!
おうちのなかで
そんなこと されてたら
おそとにいるひとは みえなくて
きづいて あげられないから ね
もしも されたら
そんなこと されてたら
おうちから そとにでて!
おうちから はなれた ほうが
いいんだよ!
「 たすけて!」
「 ぶたれるから
おうちにかえりたくない 」
って おそとに でて ね
ほかのひとに いっていいんだよ
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