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暴力
※(暴力的な表現有り)
翌日の朝食と昼食は、ロバートが運んできた物を1人部屋で食べた。美味しい料理だったが、昨日の事を思い出すと食欲が失せてくる。
余り食べられないまま2:00を回った頃、フランクが部屋に入ってきた。
彼の顔を見て体が強張る。アーロンは、慌てて風呂場に逃げ込んだ。ブルブルと震える腕で中から扉を押さえた。
「アーロン、どうしたんだ?さあ出ておいで。昨日の続きをしよう。昨日よりもっと良い気持ちにしてあげるから。さあ出てきなさい。」
フランクはそういいながら、風呂場の扉に手を掛けた。
ここの2階にある部屋は、どれも男娼のために作られた部屋で、風呂場やトイレに鍵は掛からない。
反対に、入り口は鍵を掛けると、中からも開けることはできなかった。開けられるのは、鍵を持った人物だけ。それは金を払って彼らを買った客と、フランク以外には開けられないという事。
フランクは風呂場の扉を力いっぱい引いた。扉のノブを押さえていたアーロンは、扉と一緒に外に倒れこんだ。
「可愛い私のアーロン、さあおいで。昨日の続きを・・・」
「嫌だ!!」
アーロンは咄嗟に腕を振り回し、フランクの手を逃れようとした。その手がフランクの顔に当たった。アーロンの爪で傷ついたフランクの頬から、一筋の血が流れる。フランクは何も言わずアーロンの顔を睨みつけた。
「アーロン、そんな悪い事をする子は、お仕置きをしなければならない。」
そう言ってアーロンの腕を押さえ、彼の顔を殴りつけた。
アーロンは鼻血を出して、吹っ飛んだ。彼の体が、床に打ち付けられる。余りの痛さに、直ぐには動けなかった。
フランクは、怖い顔でアーロンの傍にいき、彼が着ているものを引き裂いた。立ち上がり、部屋の中に置かれたタンスにあった洋服を、全部放り出す。
部屋の扉を開け、ロバートを呼びつけると、その洋服を全部部屋から外に運び出させた。
フランクはそうしておいて、アーロンの傍に跪いた。小さい声で言う。
「アーロン、これから一週間、君は食事抜きだ。洋服を着ることも許されない。分かったね。」
小さく呟きながら、そっと彼の体を撫でていく。
「君がいけないんだよ。私の言う事を聞かないから。まあ一週間頭を冷やしたまえ。そうすれば私の言葉を聞く気にもなるだろう。」
フランクはそう言って部屋から出て行った。
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