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シャワーを終え出てきたアーロンを見て、フランクは息を呑んだ。
これがあの小汚いガキか?
彼は美しい金髪で。シャワー上がりなので、頬がほんのりと赤く染まっている。瞳は海の蒼。瞬きをする度、長い睫毛が震える。
これは・・・身寄りがないだろうととりあえず連れて来たが。この子は拾いものかもしれない。これなら上客を取れる。
フランクはバーの経営をしながら、裏ではこのあたりの男娼の元締めをしている男だった。このバーの2階に何人もの子どもを閉じ込め、客を取らせていた。
アーロン・・・
フランクは彼の顔を見つめた。
何て綺麗なんだ。これは・・・・先ず私が頂こう。客を取るのは、それからでも遅くはない。
アーロンは、好色なフランクの視線には気がつかず、テーブルに座った。テーブルの上には美味しそうな料理が並んでいた。
美味そう・・・
肘をついたまま、いきなり食事を始めたアーロンに、フランクは顔を顰め少し強い目の声で言った。
「アーロン、此処で居る限りはマナーにも気をつけてもらわなければならない。そんな行儀の悪い事をする子を、此処に置く事は出来ないからね。」
アーロンは心でフンと笑った。
俺だって此処に長く居る気は無いからな。食うもん食ったらさっさとトンズラだ。
アーロンが食事をしている間に、フランクは扉から一旦外に出た。部屋の前で控えている、彼が1番信頼を置いている手下のロバートに、暫くはこの部屋に入らないようにと言い付けまた部屋に戻った。
静かに部屋の鍵を掛ける。
アーロンを見ると、お腹がいっぱいになったのか、テーブルに突っ伏して居眠りをしていた。
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