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終章
がらりと医師が一人、女性が眠ったベットに近付いた。落ちたペンを拾い、メモ帳は自身のポケットにしまう。医師は女性を見つめてさらりと額の汗を白衣で拭き取る。
「……うん。眠っているね。すまない。私は不老不死を治すはしてあげれなかった。だからおやすみ。私は君が起きることのないように努力しよう。大丈夫。君は一人じゃないよ」
女性の眠った呼吸する温かな肉体を抱き上げて、薄暗く、冷えた廊下を医師は一人歩いて、ある部屋にたどり着いた。大きなカプセルが並ぶ。その一つの扉を開いて女性を優しく入れて、扉を閉める。医師はため息を吐いた。
「どうか彼女達の病気を治す者が現れますように……」
医師はカプセルについているボタンを押し、白い煙で包まれるカプセル内を最後に背を向けて一人、扉から出ていった。
白い煙が満ちるカプセルの中で女性、いや何人かの者達が同じようなカプセルで綺麗な若々しい状態で眠っている。
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