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その時、ピースタの『WWW』という曲のサビが、スマホから流れてきた。
ビクッと、肩がはねる。
この曲は、電話、通知の音に設定しているから、きっと学校から「戻ってこい」という電話がかかってきているのだろう。
出たくないな。
大好きなはずの曲も、今はうるさく聞こえる。音が鳴り止まないスマホを、カバンの奥に突っ込んだ。
さて、これから何しよう。
今なら自由だ。
ふと、もう1度スマホを取り出す気になった。
今思い出したのだが、空知くんのTwitterのサヴアカウントには、DMが送れるようになっているのだ。読んでくれるとは限らないけど、推しに向かって気持ちを吐き出すのもありかもしれない。
Twitterを開き、空知くんのサヴアカウントのページまでとぶ。
『DM』と書かれているアイコンをタップすると、メッセージが送れるページになった。
『ハルチ︰』
あ、ハルチっていうのは、私のTwitter名ね。空知くんリスナーだからハルチ。
『ハルチ︰初DM失礼します。ずっと前から推してます。特に、『カヲス』の歌ってみたが好きで・・・』
おっとぉ。危ない危ない。
本人相手にオタクマシンガントークをしそうになったよ。
『ハルチ︰初DM失礼します。ずっと前から推してます。
今回は、ちょっとだけ愚痴らせてください。・・・・・・・・・・・・』
自分の事を全て書き終えて、震える指で送信アイコンをタップしようとする。
き、緊張する・・・。
それでもやっぱり送りたい、という気持ちが勝って、送信アイコンをタップした。
えいっ、と送ってしまえば後は同じ。見てくれるなんて分からないんだから、ドキドキする意味もないよね。・・・・・・って思うでしょ?
それでも緊張するのがリスナー。「送っちゃった!送っちゃった!」ってなる。
動画や生放送と違って、「リスナーのみんな」ではなく、「私」を見てくれるものだから、緊張より先に嬉しいがきてしまうんだよね。
パチッとスマホの電源を切って、もう一度スマホをカバンの奥に突っ込んだ。
※次回4月30日公開予定
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