入れ替わり2

10/12
前へ
/129ページ
次へ
「あの時も言ったけど、俺と朱君は友達だから。 朱君自身が助けてくれって言って来るなら助けるって、俺言ったの覚えてる?」 "ーーでも、朱君とは友達だから。 朱君自身が、ふうちゃんに脅されて困ってるから助けてくれ、って言って来たなら。 その時は、ふうちゃんを止めてあげるけどーー" 「んー、説明するより、見る方が早いね。 朱君と、うちの店に行ったでしょ?」 うちの店って、笑い鳥? 「はい。あの事が起こる前に、【笑い鳥】に」 蒼君が、交番の前で撃たれる前に、 私達は近くの【笑い鳥】に行った。 「俺、前に朱君に話した事が有って。 アンケートとか、全部目を通してるって」 「そうなのですね…」 そういえば、食事券が抽選で当たるとかのアンケートに、 蒼君が書き込んで、レジ横のポストに入れていた。 「あ、ちなみにそのアンケート用紙、これね」 そう言って、一枝さんに渡された紙。 確かに、あの時蒼君が書いていたものに、間違いない。 武田蒼と書かれた文字を見ると、 ゆっくりと視線を下げ、アンケートの項目、そして、ご意見ご感想の欄を見る。 [みんな美味しかったです。 気に入ったのは、牛肉 をご飯に巻い たのと、 スルメにマヨ醤油をつ けて、食べるやつです。 てんぷらも美味しかったです] やはり、子供の作文のような文章。
/129ページ

最初のコメントを投稿しよう!

641人が本棚に入れています
本棚に追加