入れ替わり

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永倉さんに連れて来られたのは、 ラブホテルだけど、ちょっと良いラブホテル。 迷いもなく、永倉さんは一番高い部屋を、エントランスのパネルで選んでいた。 私、永倉さんの順番でシャワーを浴びると、 大きなベッドに押し倒される。 私を見下ろす永倉さんの目に、シャワーで少し湿った前髪がかかっている。 この人怖いけど、顔の造りはとても綺麗で、今も凄く色気を放っている。 少し、蒼君に目元が似ている。 「お前あれだな? 大人しそうな顔して、けっこう男が好きなんだな?」 「違いますよ。 男が好きなんじゃなくて、セックスが好きなんですよ」 「それは、結局一緒じゃねぇのか?」 「似て非なるもの、ですよ」 そう答えると、そうか、と笑っている。 「俺も、女が好きなんじゃなくて、セックスが好きって事か」 「そうなのでしょうね」 実際、この人がどうなのかは分からないけど。 私は、そう。 蒼君が突然居なくなった時から、 私は色々な男性と付き合うようになった。 蒼君が居なくなり、自分の半身が奪われたみたいで。 その喪失感を埋めるように、色々な男性と付き合い、沢山、抱かれた。 どの男の人の事も、蒼君以外は微塵も好きになれなかったけど。 ただ、誰かに抱かれている時は、ほんの少し、蒼君が居ない寂しさを忘れられた。 だから、私はすぐ男と寝る。 その行為が、好き。 ここ最近は、色々と面倒だから付き合う迄はせず、 体だけの関係のみで留めている。
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