入れ替わり

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その後は、寝室へと行き、 ベッドに押し倒された。 「俺、あの店で紫織ちゃんの事見た時から、この子とエッチしたいな、って思ってたんだ」 私を見下ろすその目は、とても艶っぽくて。 顔は似てないけど、そんな雰囲気が永倉さんと兄弟だからか、とてもよく似ている。 一枝さんは、先程よりも優しく私にキスをして来る。 そして、お互い裸になり、時間を掛けて前戯をされた後、 両足を持たれて、この人のものが私の中に入って来た。 ゆっくりと動かし、それが私の奥で止まる。 「さっきまで、ふうちゃんがここに入れてたのか、と思うと、さらに興奮するよね」 そう笑い、私の体を揺さぶる。 そう言われるから、永倉さんと比べてしまうけど。 この人は、永倉さんのような激しさはなく、どちらかというと、その動きも私の体を気遣うようにゆっくりで。 それにしても、この人が凄く上手いのか、体の相性が良いのか分からないけど、凄く気持ちいい。 今までで、一番。 一枝さんはちゃんと避妊をしてくれていて、 この人が果てる時、その感覚が私の中で微かに分かった。 「どうですか? 童貞を失った感想は?」 私の胸元に、疲れたように顔を埋めているこの人の髪を撫でた。 「あ、そっか。 そういう設定だったっけ? 初々しさなくて、ごめんね」 そう笑う振動が、私に伝わる。 いつもなら、好きでもない男の人に抱かれた後。 なんともいえない、空虚感があるのだけど。 今は、ない。 永倉さんとの後にだって、あった。 「紫織ちゃん。 このまま一緒に眠って。 もう、朝だけど」 カーテンが閉められ、暗いけど。 壁に掛かっている時計を見ると、朝の7時。 「はい。一緒に少し寝ましょうか」 一枝さんの髪を、撫でる。 綺麗な髪だな。 私は流石に体が疲れていたのか、 目を閉じると、すぐに眠りに落ちていた。
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