愛人

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「ちょっと気になったんだけど、お前と一枝さんどういう関係?」 「え…」 急に一枝さんとの事をそう訊かれ、少し戸惑ってしまう。 「前に、お前が帰った後、一枝さんに電話した。 なんで勝手に未希に俺の住んでる場所を教えたのか、って」 そういえば、そうだった。 そうやって勝手な事をした一枝さんを、この人はあの後責めたのかもしれない。 「一枝さんは、なんて?」 私がその見返りに、一枝さんと寝た事も話したのだろうか? 「お前がどうしても俺に会って話したい事があるって、頼んで来て、 段々とお前が可哀想になって来て、引き合わせた、って」 「うん…」 確かに、それは嘘ではない。 そうやって、本当の事は蒼君に言わないでいてくれたんだ。 やはり、他の男性と寝た事を、蒼君に知られたくない。 「まあ、一枝さんが未希の事、相手にするわけないか」 その蒼君の言い方が、嫌な感じだな、と思った。 だけど、私と一枝さんとの関係をまだ気にしているのが、分かる。
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