愛人

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「で、どうする? 俺の愛人になるか?」 私と一枝さんとの関係に多少なりとも嫉妬しているから、 私を愛人にだとか言い出したのか。 「私が、蒼君の側に居るのは嫌じゃないの?」 今まで、何度もそれっぽい事を蒼君に言われた。 二度と、俺に近づくな、とか、消えろとか。 「お前が他の奴に余計な事を話さないように、 遠ざけるより、近くに置いておく方がいいような気がした。 別に俺の邪魔しなければ、昔みたいにお前の事可愛がってやるよ」 心の何処かでは、そうやって上から言われて、ふざけんなって思うのに。 「だから、私は蒼君の邪魔するつもりはないよ。 だから、蒼君の側に居たい」 そう、口から出てしまう。 「なら、とりあえずしゃぶれよ? 最近、女とヤッてなくて、たまってんだよ」 そう言って、人差し指で私の唇を撫でる。 そういえば、今のこの人の婚約者とやらは、海外に留学中だったっけ。 でも、今のこの言い方では、その婚約者以外にも、抱ける女性が居るのだろう。 私も、その抱ける女性の一人に、って事だろうな。 本当に、自分が自分で情けなく思うけど。 私は、蒼君の部屋着のスウェットのズボンに、手を掛けた。 それを下ろそうとすると、蒼君はそれを手伝うように、少し腰を上げた。 下着は、蒼君自らが下ろした。
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