愛人

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「昔より、胸デカくなったよな? なんか別人とヤるみたいで、新鮮」 そう言って、私のその胸を隠す手を退かして、両手で私の両胸に触れて来る。 それは、乱暴に強く揉まれて、少し痛い。 それに飽きて来ると、パンツの中に手を入れられた。 「濡れて来てんな」 そう言われて、弄られるけど。 一枝さんとした時の方が、濡れていたな、とふと思ってしまった。 パンツを脱がされ、バスルームへと連れて行かれた。 蒼君が蛇口を触ると、ちょっと冷たい水が、私達の身長より高い場所にあるシャワーヘッドから出て来て、私達を濡らす。 蒼君は私を抱きしめ、キスをして来る。 一度、待ち伏せした時に車の中で蒼君とはキスをしたけど。 本当に久しぶりに、蒼君とキスをしたな、と思った。 私の舌に絡む蒼君の舌の感触が、懐かしい。 シャワーから出ていた水は、すぐにお湯に変わり、少し熱いくらいで。 私と蒼君の体を温めて行く。 キスをしたまま、私は壁に押し付けられ、 片足を上に持ち上げられ、 蒼君のものが私の中に入って来た。 動かされると、それに声が出るけど、キスで口は塞がれていて。 息をするのもままならないから、 なんだか、とても苦しかった。 昔なら、こうやって体を繋げながら、私は蒼君に好きだと、よく言っていた。 今、そうやって私の口を塞ぐのは、 そうやって好きだとか、言われたくないからだろうか? そんな事しなくても、言わないのに。 この状況で蒼君を好きだとか口にしたら、 余計に自分が可哀想になるだけだから。
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