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「じゃあ、なんで今日は私を此処に呼んだんですか?」 「ふうちゃんが、多分、朱君と紫織ちゃんがダメだったんじゃないか、って言ってたのもそうだけど。 なんだか、今日は無性に寂しくて」 その言葉を聞きながら、リビング横の部屋のうさぎのケージに目を向けるけど。 4つあるケージの1つが、空で。 「ライオンラビットの子が居ない」 そう口に出すと、私を抱きしめている一枝さんの腕に、さらに力が入った。 「五子は3日前に、亡くなったんだ。 その少し前から食欲が落ちていて、うっ滞で…。 俺も仕事が忙しくて、すぐに病院に連れてってあげられなくて。 緊急で開腹手術したけど。 ダメだった」 そうか。 もう、あのライオンラビットの子には、会えないのか。 そして、最近仕事が忙しくて、ってのも、本当なんだ。 「今日、朝から五子を弔って来たんだけど。 なんだか、辛くて…。 紫織ちゃんに、どうしても会いたくなって」 「…そうなのですね」 そうやって辛い時に会いたいと思って貰えるって事は。 やはり、私は一枝さんにとって、けっこう特別な存在なのだろう。 「なんかさ、食欲なくて食べられないのは平気なんだけど。 五子が居なくなってから、殆ど眠れなくて。 そうやって寝てないから、体が辛くて、もう限界で。 紫織ちゃんが横に居てくれたら、眠れそうな気がして」 「じゃあ、一緒に眠りましょうか?」 そう言うと、小さな声で、ありがとう、と聞こえた。
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