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あれこれ考えると頭が痛くなってきたので、私はひとまず席を離れる、と同時に一つ大きなため息を零す。
作業画面を閉じたと言うのに、ディスプレイ前の椅子に腰掛けるとどうも配信モードになっている自分が…
このままではいけないと思い、キッチンへと足を運び、冷蔵庫の扉を開く
中には職場から頂いた廃棄食品の数々と、自分の好きな飲料が並んでいる。
普段であればスーパーで買いだめした材料を使って作り置きなどをしているのだけれど
タイミングの悪い事に全て使いつくしており、こんな夜遅い時間にスーパーで何か買いに行く気にもなれず。
ミックスサンドイッチと缶チューハイを取りだし。
パソコンディスクとは別の小さな食卓の上に広げ、座椅子に腰掛ける
部屋の中を見渡すと、ずいぶんと散らかっており、同年代の友達とかが見たら多分ドン引きすると思う
「……明日はお仕事休みだし、ちょっと掃除しよう…」
諦めモードに入った私は、缶のステイオンタブを引き起こした
それはまるで、現実逃避へのスイッチの様に見えなくもない。
静かな部屋の中で、水素…ではなく窒素の抜ける音が響き渡る
飲み口に唇を重ねて、勢いよく液体を体内へと取り込む為に喉を鳴らす
四度ほど鳴らした後、一旦缶との口づけに合間を挟む
お酒におぼれる人間の情けない溜息が響いた
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