-大橋と海の見える街で出会うバーチャルシンガ-

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なお、お相手は(職場)からの電話だった、今の職種だとよっぽどのへまをしない限りは着信など無いはずだけれど、時間と雰囲気から察するに……… 一先ずは電話に出る事にしよう 「もしもし、冬木です」 『あっ、ごめんなさい、冬木さん、夜遅くに電話して』 「いえ、別に大丈夫ですよ、何かお仕事でミスでもありましたか?」 『ううん、業務とかでの問題ではなくって、明日入る予定だった子が急病で欠員出ちゃって、申し訳ないんだけど出てもらえないかな…?』 「………」 正直物凄く悩んだ、本来であれば毅然とした態度で(嫌です)とか、根本的な事を言ってしまえば 居留守を使えばよかったものの、出てしまったものはしょうがない それに、明日は特別な用事が……夜の雑談枠に間に合わせれば良いし 「出ます、どの時間帯ですか?」 『!?、ありがとう!明日の一三時から十七時の分なんだけれど』 心の中で安堵感が広がっていく、その時間帯であれば、イレギュラー因子が入ってこない限り、お店にとっても平和な時間帯であることは解っているからだ。 「はい、解りました」 『ありがとう!お礼と言っては何だけれど、別の日にお休みの枠を作り直すからね』 「いえ、良いんです」 『そう言う訳には行かないでしょ、じゃ、明日のお昼お願いね』 何度か相槌をした後、頃合いを見計りつつ通話終了ボタンを押した。
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