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歩く事約三十分、私の住まいへと戻ってきた、瑠菜を連れて。
結局今日と言う日が有意義なものだったかと問われると正直微妙な所だけど……
先ほどの彼女の住まいと比べると、雑多な感じが否めない家の中に入る
「疲れたなー、瑠菜」
そう言いながら振り返ると、両手でスマートフォンを横にして、大きな文字が私の目に飛び込んできた
[荷物、持ってくれてありがとう]
「良いって、とりあえずは瑠菜の部屋をちゃんと作らないとなー」
我が家は独特な造りとなっており、玄関入ると、すぐにキッチンスペース
ちょっと入り組んだ所にトイレ・お風呂があり、目の前に二つの部屋が現れる。
一人暮らしだから、そんなに大きくない物件でも良かったのだけれど…
今となっては、配信用とそうじゃない時用に分ける事が出来ているので結果としては良かったと思う
当然ながら、彼女にはそうじゃない時用の部屋を使っていただくとしても
これから配信作業をするには……瑠菜に理解をしてもらわないといけないのだけれどどう説明したら良いものか…
それ以上に確認したいことがあったので、率直に聞く事にした
「あの、さ、瑠菜って、いつから話せないんだ?生まれた時から、なのか?」
私は固唾をのんで、彼女が携帯に文字を打ち込むのを静かに見守っていた
[ううん、声が出なくなったのは、割と最近かな…お医者さん曰く、とにかくストレス環境からおさらばすることが何よりも大事って言われた]
「そう、なのか……」
[治らない訳じゃないけども、治るにしても、時間を要するのは間違いないみたい]
その後も、文章が続きそうだったので私はすかさず、彼女を制止しノートパソコンの電源を起動し、彼女にくつろいでもらうことに
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