-大橋と海の見える街で出会うバーチャルシンガ-

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[ところで、和乃香さんは普段の休日ってどんなことをなされているんですか?] 「うーん、とそうだなー、基本的に引きこもってゲームとかだらだら過ごしたり…かな、あとは……」 少しの間を挟んだ後に私は意を決して、瑠菜に思い切って、配信活動をしている事を打ち明ける事にした 「い、インターネットラジオ…的なのを配信してたりするんだ」 遅かれ早かれ話さなければならない事を私は瑠菜に打ち明けた。 彼女が持病で悩んでいる事を教えてくれたのに対して、私のなんてあんまり重要でもなんでもないし どっちかと言うと一風変わった趣味…にしか過ぎないと思う 数秒…いや、十秒ほどだろうか?彼女はゆっくりと文字を打ち始めた。 これまでとは異なり、かなり言葉を選んでいる様子だった。 もしかしたら、ふざけた事でも打ち込んでるかと思ったものの、ディスプレイには当たり障りのない文字が表示されていた [そうなんですか、雑談とか、和乃香さんは声が綺麗だから歌枠とかする感じでしょうか?] 歌枠、と言う単語が出てきて、少し驚いたものの。 最近のネットニュースを見ていると、見出しとかで『今、学生で人気上昇中のVtuber』とか『将来の夢』とかでも出てくるし何ら不思議ではないのかもしれない。 「ま、まぁ、そんなところかな、もしかしたら、同棲とかしているうちに私の声が聞こえてしまうかもしれないから、そん時はごめんな」 彼女は首を横に振ってくれた。
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