-大橋と海の見える街で出会うバーチャルシンガ-

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その代わりと言っては何だけれど、出勤時間までは猶予がある訳で パソコンを起動して、雑談枠用のサムネイルを作ることにした。 一年近く配信者をやっていた訳だから、適当なものを使いまわすのでも良いような気がしなくもない。 フォルダーを開いて、過去の配信に使ったものを閲覧してみたものの やはり、それなりに自分が成長している事を実感するとともに昔の自分が作ったサムネはとてもじゃないけれど使えない。 幾分かマシと言うか、だいぶ進歩した感のある作品(もの)はあったものの それらは言わずもがな最近作った且つ使ったものなので、視聴者さんからは手抜きなのがバレてしまうか ……あえて、設定ミスみたいな雰囲気を醸しだしといて後々に作って変えるのもありと言えばありだけどそれもそれで面倒くさい。 私は観念して、カメラを起動、小夜(セレナ)を呼びだす事にした 「「おはよう」」 私の口と連動して、かがみ合わせの如く彼女の口も動く。 ルックスは大きく異なるけど、小夜(セレナ)は間違いなく、もう一人の私であることに違いはない。 結局小一時間ほど費やし、動画配信サイトにタイマーとサムネイルを設定 時間は少し余裕をもって二十時くらいから開始しよう。 ここのところ根詰めて配信していたから、次の投稿まで間が開くことを視聴者さんに知っておいてもらわないと 編集ページを閉じ、動画が一覧で表示されるホームページへと戻ってきた。 表示されるのは、数え切れないほどの作品の中から、私が好んで聴く音楽はもちろんの事 お気に入りのライブカメラや、他のVtuberが配信している動画など様々な物が並んでいる。 本来であれば所謂、土休日に含まれる故に大手事務所に所属しているメンバーたちが配信をしまくっていて一種のお祭りの様に思えなくもない。
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