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誕生日まであと5日
「……深月、俺は今、双子が人生で必ずぶち当たる未解決問題について考えている」
「ふーん」
「天から与えられたステータスの格差だ」
「……朝陽、全教科赤点だったことなんて気にするなよ。それを天だか神だかのせいにするのは八つ当たりにも程があるって」
「違う!いや、それもあるけど!何故お前には彼女ができて俺にはできないのかって話だ」
「それは9割くらい天が悪いな」
「お前だけ何回か転生してるだろ。俺が因縁の敵の生まれ変わりかなんかで、転生の度レベリングしておいて、命燃え尽きるその時まで俺に劣等感味わせるっていう、地味だけど精神をモロ削ってくるえぐい復讐やってんだろ」
「仮にそうだとしたら、もう天とか関係なくて俺の努力の賜物だよね。何の努力もしていない人間がコツコツ努力してる人間を否定できないと俺は思うが」
「あーあ、俺がうちは一族だったら今頃写輪眼開眼してるわ」
「最後のパピコをこれみよがしに俺に見せつけながら一人で食べるような人間性なら大丈夫でしょ。うちは一族は決まって思いやり深いんだから」
「あれをいつから二本だと錯覚していた?元々接合されてるんだから完全に切り離さなければ一本、つまり一人前を一人で食べたたけだ。これのどこが悪い」
「いや食べにくいだろ、絶対。途中で諦めて割ってたじゃん」
「ところでもうすぐ俺の誕生日だが、ちゃんと準備してる?」
「俺もその日誕生日なんだけど。というか俺、パピコひと口も食べれなかったのに、さらに身銭切って因縁の敵に供物を捧げないといけないの?」
「すごい根にもつじゃん」
「パピコうまいんだよ。なのに母さんはパピコは一つで二つだと思ってるから買い物の度に一つしか買わない。分け合う前提で設計されているからこそ起きる悲劇だよな」
「食うか食われるか……世界ってのは残酷だな」
「そもそも毎年プレゼント交換なんてやってないよな」
「うん。もし要求したら深月何くれるかなって」
「俺も貰わなきゃ割に合わない」
「パピコだろ」
「安っ」
「毎月小遣い500円の財布の紐の硬さ舐めんなよ」
「朝陽がくれるって言うなら、俺も考えてやらないこともない」
「……何で俺から要求したのに、立場が逆転してるわけ」
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