誕生日まであと3日

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誕生日まであと3日

「飲まないとやってられんぜよ」 「あんまり飲みすぎるなよ」 「あー就活しんどい。……深月はもう決まったのか」 「うん。第一志望内定出た」 「けっ、勝ち組は人生ヌルゲーで良いですな」 「俺は去年から長期インターンとか行ってたからな」 「それなら内定何個か持ってるでしょ。1個くらい誕プレでくれよ」 「とっくに本命以外は断ったよ」 「薄情者!」 「誕生日に犯罪をプレゼントする方が終わってるだろ、人として」 「あー今もし猗窩座から勧誘受けたら喜んで無限城に就職しちゃうわ」 「ブラック企業に心臓捧げるくらいならなまぽ受給者に、俺はなる!とか言ってなかったか」 「俺はこう見えてパワハラ耐性ついてるから鬼とか天職なのよ。とはいえブラックなのには変わらないか。今から大学院目指そうかな」 「学費どうするよ」 「心配するな、親に頼ったりなんかはしない。バイト増やして、あと深月の給料の10%を振り込んでもらえたら、何とか生きていけそう」 「何で俺が朝陽の生活保護費用払わなきゃならん。ま、このまま折れずにやってれば朝陽なら何とかなると思うよ。根拠ないけど」 「何の慰めにもならないね!誕生日までには一つくらい内定貰えてる計画だったのになぁ」 「なんか、スマホ通知きてるよ」 「あ、ほんとだ。……二次面接通った」 「やったじゃん。次、最終?」 「……うん。うええええやばいやばい!初めて最終だからここまできて落ちたら流石に泣いちゃうかも〜。深月、俺の替え玉お願い」 「まだ双子なら何とかなるっていう虚構を信じてたんだ。ま、がんばれって」
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