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誕生日まであと2日
「よっす。これ、手土産のりくろーおじさん」
「おーこれはどうも。……そう頻繁に来なくてもいいのに。前来たの、二週間前じゃなかったっけ。母さんに言われてるのか?」
「馬鹿言え。明日からまりこちゃんとデズニーだから、今日寄ったのはついでだよ、ついで。まりこちゃんが、誕生日だからって企画してくれたんだぜ!」
「ふうん、順調そうじゃん」
「……俺、この旅行が終わったらプロポーズするんだ」
「え、朝陽……もうすぐ死ぬんか」
「はい?」
「いや、死亡フラグのテンプレみたいなこと急に言い出すから」
「いや割とガチよ」
「健闘を祈る」
「これで成功しちゃったら、深月より先に幸せ掴んじゃったことになりますからな!子供の頃の俺が知ったらどんなに喜んだことか」
「結婚が幸せの最終形態とは限らんぞ。仮にも病み上がりなんだからマウント取るのももうちょい優しくやってくれよな」
「だって元気そうじゃん。……てのは冗談で、ほんとにもういいのか?」
「ああ、医者にも薬減らしていいって。なんだ、少しは気遣えるのな、朝陽も」
「ほぼ菩薩だからな、俺。ま、ゆっくり休めよ。仕事だとかこれからの事は一旦置いといて、今は俺の結婚祝いのスピーチのことだけ考えてたら良いって」
「また病みそう」
「ハハハ。俺が腹減ったから土産食べようぜ。皿とフォークどこ?」
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