転入星

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 父の仕事の都合で、私は転校することになった。友達と別れるのは寂しかった。新しく出会う人たちとは打ち解けられるだろうか、仲良くできるだろうか。不安でいっぱいだった。  転校することを告げた時、クラスメイトのみんなは驚いていた。仲良しだったリサちゃんは泣いていた。 「また会えたらいいね」 「絶対手紙書くからね」  別れを惜しむ言葉を口々に言って、みんなは私を送り出してくれた。  引っ越しの前日、不安と寂しさで泣いている私に、父は言った。 「移住先に住んでるのは私たち人間と似ている種族だから、大丈夫だよ」  人口爆発によって飢餓問題に直面した地球。父は人間が住む事の出来る別の星を探索する、研究チームのリーダーだった。様々な試行錯誤を繰り返し、地球に酷似した環境の星をようやく見つけたが、そこには先住民が居た。  問題は、得体の知れない先住民が居る星に、誰が最初に移住するかだった。そこで白羽の矢が立ったのが、父とその家族だった。  友好的かどうか定かではない、言葉が通じるかどうかもはっきりしない。そんな生物が住む場所に行くのが、怖くてたまらなかった。  引っ越し当日、私たち家族は沢山の荷物と共に宇宙船に乗り込み、長い長い時間をかけてその星にたどり着いた。  新天地に降り立った私が目の当たりにしたのは、目が三つ、腕が三本、足が四本ある先住民たちの姿だった。  人間に似ているのは背格好と、こちらを見てヒソヒソと陰口を叩くような、その仕草だけ。  一つ多い白い目で見られながら私は、父に「嘘つき」と呟いた。  今日から私は異星人。
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