坂道荘

たかし

最悪な事に度々その幸子さんが僕の前に一瞬現れる現象に悩まされる事になった。

「助けてくださいよー。誰か霊感強い人いないですか？僕ノイローゼになりそうです。マジで怖いっす」

僕は頭を掻きむしりながら相羽さんに相談した。

「霊感強い人ならいるよ。大家さん」

「大家さん？僕まだ大家さんに会った事ないです！紹介してください」

相羽さんは大笑いした。

「な〜に言ってんの！谷川くんここに一緒に来たじゃない」

「へ？」

「不動産屋よ！」

厚い眼鏡の小柄なおじさんが頭を掻いている姿が頭に浮かんだ。

「えっ？あの人？」