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台所で石鹸の匂いをさせた原さんを囲むように坂道荘の住人全員と大家である不動産屋が座っている。
「あんたがあの暴力男だったのね!」
相羽さんは原さんを睨みつけ原さんは無言で頷いた。
「何でそんな酷いことを…」
笠原さんが眉間に皺を寄せると原さんは貧乏ゆすりを始めた。
「確かに俺は酷い男だよ。浮気もしたし借金も作った。その借金返す為にあいつに身体を売らせたりした。でも他の男に抱かれてると思うと許せなくて、悔しくて殴ってしまう事もあった…だって愛していたから」
「マジで最悪だ…」
僕がつい心の声を出てしまうと、原さんはチッと舌打ちをした。
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