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卒業式不参加
今日は、別に待ってない卒業式。
小学校の時も中学校の時も、卒業式はあったはずなのに、何も覚えてない。
だから、この高校の卒業式も記憶に残らないだろうから、待ってないし、どうでもいい。
校門の前に来た。
足元に手紙が落ちていることに気づく。
卒業式より面白そうなので、読んでみた。
「これを読む貴方にとっては、とてもどうでもいいことなのだが、私は卒業式に参加するのを辞めようと思っている。
記憶に残らないだろうものに参加したとして、何になろうか。
それより、家で本を読んでいる方がマシではないだろうか。
どうせ、卒業式が終われば家に帰って、本を開くのだから。
君は、きっと何か大切なことがあるから卒業式に参加するのだろう。
でないと、卒業式に出る意味がわからない。
充実した君へ」
それを読んで、私は決めた。
そうだ、帰って本を読もう。と。
家に帰って、卒業式が終わったであろう時間になって気がついた。
あれは、中学生の時に私が書いた手紙だった。
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