閉ざした想い

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「私達はただのクラスメイトで、それ以上でもそれ以下でもないの」 彼が私の腕を掴んだ。 ずっと彼の顔を見ないようにしていたつもりだったのに、思わず顔を上げてしまった。 彼の辛そうに歪んだ顔に、胸が締め付けられる。 「なんでもないフリなんてできない。こんなにあやのこと好きなのに」 視界が歪む。 泣くつもりなんてなかった。 泣いている姿を母に見せるわけにはいかない。 幸せな二人の邪魔をするのは、許されない罪だ。 「あやも、俺のこと好きでしょ?」 縋るようにそう聞いてくる彼に、私は頭を振ってみせた。 私達は、まだまだ子供で、何が正しいかなんてわからない。 だけど、大人が思っているよりもずっと大人で、お金は稼げなくても、誰かの幸せを願うくらいのことはできる。
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