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……まぁ、十七万もする新品の国産のパソコンが初期不良起こせばそりゃあ、頭に来るよね、という思いと。なにも女の子相手に怒鳴らなくても、という二つの想いが去来する。――そうして。
低姿勢に低姿勢を貫き。無事、十分後にはマジマさまのご自宅にパソコンを取りに伺う約束を取り付ける。といっても、取りに行くのはうちの社員ではなく配送業者ではあるが。その旨は最初にお伝えすると激高される恐れがあるので後出しに。この程度のスキルは、入社して十年も経てば身に着けている。
入社してもう、十年。まだ――十年。
死ぬまでに、いったいどれだけの時間が、残されているのだろう。帰り道。かんかん鳴る遮断機があがるのを待ちながら――寒い手をこすりあわせ、息を吹きかけながら、いったいわたしは、どれだけ自分が自分の人生に貢献出来ているのかについて、考えようとしている。
電車が迫る。飛び込みたいな、と思った。飛び込めば楽になれるのかな、とか。死んで――
なにももう、考えたくない。生活のこととか。お金のこととか。自分が女であること。男性経験が一切ないこと。負け組であること。死ねば――。
こういうしがらみの一切からも解放される。
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