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部活中の事故だった。
その年の最高気温を叩き出した日で、大事な試合の前日だった。
無理をしたら命の危険があることくらい授業で習って知っていた。
けれど、本当に簡単に人が死ぬということを私達はわかっていなかった。
小さないくつもの不幸が積み重なって彼は命を落とした。
夏休み中の緊急登校、みんなが暗い顔をして、女の子達は泣いてた。
高校生活初めての夏休みは、いろんな計画や約束をしていた。
けれど、外に出かける気になんていっさいなれなかった。
友達としていた約束も断った。
皆も、遊ぶ気分になんてなれないようだった。
夏休み明け、久しぶりに会う仲間に笑顔を浮かべながらも、皆ふとした時に彼のことを思い出して寂しそうな顔をしていた。
それもそのうちなくなって、皆少しずつ日常を取り戻していった。
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