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「・・・そうでしたか・・・。おめでたなんですね!生まれる前はいろいろありますよ。でも、きっと桜の咲く頃には、退院できますよ。」
おばあさんは、着物に描かれている桜の花びらをみながら答えました。
「ママ~!この傘ほしい!キラキラしているしキレイ!ダメ?」
傘を持ちあげた女の子がお母さんの方に叫んでいます。
「でも・・・今はおひさまの光が当たっているから、輝いて見えるけど、雨降りの日にさしても、キラキラにはならないわよ。」
「いいの!ほしい!だって学校に通うなら置き傘がいるでしょ?どうしてもだめなら、お店の中にある他の傘はどう?」
女の子は、おばあさんに聞いてきました。
さてさて、どうしたもんか・・・。おばあさんは少し考えます。
確かにお店の中に、傘はたくさんありますが、女の子が望む柄がみつかるかどうか・・。
「あの、お店の中を見てもいいですか?」
おずおずとお母さんが尋ねます。陽の光の中、合図のようにきらっと桜のかんざしが光りました。
「どうぞどうぞ!」
光を目に留めたおばあさんは、お店の中に二人を招き入れました。
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