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紺色の傘屋さんの暖簾をくぐると、右側には、たくさんの傘立てがあり、透明な傘がたくさん傘立てに入っています。正面の奥は、また暖簾があり、中が見えないようになっていて、左側には、いろんな柄の手ぬぐいが掛けてあります。
小さい赤い金魚が泳いでいる柄、虹色のシャボン玉、トンボが飛んでいる柄、カエルが泳いでいる柄、流れ星のお星様が描いてある柄・・・・、どれも広げてあり、竹の棒に半分に折って掛かっています。
「うわぁ、いろんな柄がいっぱいあるのね!」
「そう、これで濡れた傘を拭いたり、汚れを取ったりするんですよ。ひとつの傘には、ひとつの柄の手ぬぐいを使って拭くんです。傘が透明だから、すぐにほこりがついて汚れちゃうから・・・。想い出も混ざらないように・・」
おばあさんは言いかけた言葉を思わず飲み込みました。
でも、女の子はそんな事は気づいていません。
「へぇー、傘やさんって意外に大変なお仕事なのね」
女の子がわかった風に話すのが面白く、思わず、お母さんと顔を見合わせて笑いました。
「そうそう大変だけどね。ところで、どの傘にするの?」
「あ、そうだった!傘を選んでいたんだ!」
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