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白いワンピースの裾のフリルが、丸い孤を描いて反対側へ向きを変えて走ってゆきます。
「どれがいいかな?・・・みんな透明なのかな?」
女の子の小さな手が、傘の柄をつかんでは、離して、またつかんでは、離してを繰り返します。
「このお店はいつ建ったんですか?こんな住宅地の中に、傘やさんがある事、知りませんでした。この道はいつもの通学路じゃなくて、少し遠回りをしてきた道なので・・」
「このお店ができたのは、数日前ですよ。雨の時にしか必要ない商品なので、こんな晴れの日には、お客様も少ないんですけどね・・・。」
「そうでしたか・・・。」
「ママ―!この傘にする!」
女の子が一本の傘を選びました。
どれも同じ透明な傘にしか見えないのですが、どうやら女の子はそれがお気に入りのよう。
「とっても持ちやすくて、さしやすかったの!」
おばあさんはニコニコと微笑んでいます。
「じやあ、これにしますね。おいくらですか?」
「1本5円です。」
「え!5円ですか?500円の間違いでは?」
「いえいえ、5円って、書いてありますし」
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