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「大澤さん、
これ、
確認お願いします」
「はい」
仕事はもちろん、私生活に関する全てのデータが入っている。
変わったからと言って、なんの支障もない。
テキパキとこなす。
「大澤さん…」
呼ばれて振り返る。
「新田君、お疲れ様」
1年後輩の新田は、朱音ほどうまく誤魔化せなかった。
私のデータ通りの挨拶に、ぎこちなく応じることもできず、背を向けて立ち去ってしまった。
頭を掻く。
仕方ないじゃないか。
私になってしまったものは、もう戻りはしないんだ。
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