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株式会社ボルケーノ
「溶岩隊長を呼べ!」
「はい社長、直ちに呼んで参ります」
「待て、私のことはマグマ王子と呼べ」
「はい王子、仰せのままに」
そう答えたのは、スレンダーな肢体にブラックレザースーツコルセット(SM風)を着こなした髪の長い女。片膝を床に突き、頭を垂れている。右肩にはショルダーガードを着けていた。
その女は立ち上がり王子に一礼すると、クルリと踵を返した。マグマ王子の瞳に、引き締まった彼女の大臀筋と、曲線美を引き立たせるエナメルボンテージパンツが映る。
「待て、カルデラお嬢」
女は腰に手を当て上半身だけを捻ってみせた。
「なんでしょう?」
「君には期待しているぞ」
「お任せください」
カルデラお嬢は、颯爽と部屋を出ていった。扉の外側から「ヨウガン隊長ぉ~! ヨウガン隊長ぉ~!」と、カルデラお嬢の甲高い声が漏れ聞こえてくる。
ふと王子は視線を床に落とす。カルデラお嬢が膝を突いていた位置に、ひとひらの桜の花弁が落ちていた。散り始めた桜が風に乗り、お嬢の肩に留まっていたのだろう。
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