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「マグマ、俺を呼んだか」
勢い良く扉を開け入ってきた男は、彫りが深く日本人離れした顔で、オールバックが良く似合うマッチョマンであった。サラリーマンのように上下スーツ姿だが、鍛え抜かれたその肉体はスーツの上からでもわかるほどだった。
「来たか、溶岩隊長。例のゴルフ場建設の件はどうなっている?」
「問題ない。今日の午後一時に鬼屋建設の事務所を攻撃する」
「そうか。頼んだぞ」
「御意」
溶岩隊長は踵を返し部屋を出ていこうとした。
「待て」
溶岩隊長は腰に手を当て上半身だけを捻ってみせた。それを見たマグマ王子は眉根を寄せ、彼が呼び止めた目的とは別に「そのポーズは、流行っているのか?」と、訊かずにはいられなかった。
「なんのことだ?」
「カルデラお嬢もそのポーズをしていたのだが」
「ポーズ?」
「──なんでもない。それよりお前には期待しているぞ」
「はっは、任せろ!」
右の拳を高々と挙げ、部屋を出ていく溶岩隊長を見届けた王子は、社長椅子へと戻った。彼の背景には、壁一面に張られたガラス越しに水蒸気の煙が立ち昇る温泉渓谷が広がっていた。
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