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「おい、何か言えよ。もうサービス終了間近なんだ。やるんならやって、最後の思い出にした方がいいじゃないか」
佐瀬が言うと、田頭は泣きながらスマホを操作し、例の『運営からのお知らせ』を見せてきた。何度も読んだ内容だ。不快にこそなれ、新しい情報は何も書かれていない。
「これがどうした。分かってることじゃないか」
次に田頭は、つぶやきアプリを立ち上げた。『王アク』の誰かがナビゲートキャラになり切って書き込んだつぶやきが表示されている。
「……昨日、見つけたんだ。最新の投稿にリンクが貼られてる。そこを開くと、『お知らせ』になかった情報が小さく書き加えられてる」
何だと、と佐瀬はスマホを奪い、つぶやきからゲームのホームページに飛んだ。戦闘行為に関する記述だ。知っている文言を読み進め、──そして、大きく目を見開いた。
「こ、こんなこと……」
わなわなと怒りに震えた佐瀬が、拳で畳を叩いた。
「マジかよ、ちくしょうっ!!」
そこには、こう書かれていた──。
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