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するとそこで、田頭がぐずぐず泣きながら言った。
「でも、佐瀬を引き込んで良かったと思ってるよ」
声を震わせ、懸命に言葉をつなげる。
「二人でずっと一緒にいられた。ゲームが終わっても、俺たちは親友だよな。親友にサービス終了なんかない。親友からの『お知らせ』は良いことばかりだ。そうだろ?」
潤んだ眼でこちらを見つめるが、佐瀬はとてもいらいらしていた。
「なら、仮におれが借金苦で金を貸してくれって頼んでも良いお知らせか?」
「もちろんだよ。絆はお金じゃ買えない」
「なら、仮におまえの未来の嫁と身体の関係を持ったって言っても良いお知らせか?」
「もちろんだよ。女なんて分かち合えばいいだけだ」
「なら、仮におまえが大嫌いだから死んでほしいと言っても良いお知らせか?」
「もちろんだよ。迷惑にならないように死んでくる」
はあ、と佐瀬は短く吐息した。
「そういうところ、本気で嫌いだ。おれは衝突してこそ親友だと思うがね。おまえ、おれの奴隷かよ。マジで引くわ、そういう考え」
突き放すように言うと、田頭はまた膝を抱えて泣き出した。
「俺、佐瀬のこと好きだ……。いつだって一緒だった。いつだって佐瀬のこと考えてた。これが好きじゃなくて何なんだ。俺、佐瀬のこと大好きだ。一緒に暮らしたいって思ってる……」
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