炭鉱の町

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 履いていた靴を脱いで靴箱に押し込むと、居住空間だという建物右側へ入っていった。薄暗い廊下を抜けた先の扉を開くと、8畳ほどの部屋があった。中央にちゃぶ台があり、その上には瓶に水を入れて活けられた小さな花があった。向かって左端には箪笥があり右側には押入れがあった。どうやら佐伯という人はあまりものを置かない人のようだ。 「うむ、彼らしい部屋だ。しかし、男三人ではちと狭いな」 「大丈夫ですよ。情報さえ手に入ったら私はすぐに出ますから」 「そうか、それもそうだな」  早く情報が欲しいが、仕事中に聞くわけにっもいかない。俺は少し眠って佐伯の仕事が終わるのを待つことにした。
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