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早朝の出発
翌朝、まだ日の上らない時間に目を覚ました。まだ佐伯さんと円城寺殿はまだ眠っているようでだった。布団を片して背負子を背負うと音をたてないように部屋から出た。靴を履いて外に出ると空を見上げた。雲は多いが雨が降りはしないだろう。まあ山の天気は変わりやすいとよく言うものだから竜神の瞳を定期的にほおり投げて天気が崩れるのを早期に判断できれば死ぬようなことにはならないだろう。特に山登りの準備などしていないから、どこかで準備しておかなければならないだろう。とりあえず防寒と杖代わりの頑丈な枝は欲しい。そうなれば森の中を突き進もう。
正直、情報に関しては峡堂から入手した情報と大差なかったが、信ぴょう性はかなり増したので原住民に聞いた価値はあっただろう。
「おはようございます。カミノマさん」
「おや、佐伯さん。おはようございます」
寝ぼけ眼の佐伯さんが玄関まで歩いていていた。先ほど部屋から出るときに起こしてしまったのだろう。
「もう行かれるので?」
「ええ。泊めてもらいありがとうございました」
「道中気を付けて。クマやシカが出ますから」
北の大陸の動物は本土より大きいと聞いたことがある。襲われたら命はないだろう。本当に気を付けないとならない。対抗手段がないわけではないのだが、あまり使いたくない。珍品中の珍品でまた取りに行くことを考えると吐き気を催すからだ。
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