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野宿
白樺の森の中で夜を明かすことにした。枯れ葉をどけて少し穴を掘って近場にあった石を積み重ねて簡易的なかまどを作った。森を燃やして大火事を起こしてしまってはこの周辺の動植物に影響が出てしまう。このあたりの住民の生活にも関わってくる。
紙マッチをこすって火をつけて枯れ葉に火を入れた。落ちている乾いた枝を重ねて焚火を焚いた。
日暮れ前に見つけた川で獲った川魚を木の枝に刺して焼き上げる。小さな魚一匹だけでは腹は膨れないが、野宿をするときはいつもこのような食事をしているから問題はないが、花を見つけるまで岩山を登り続けることになるから食べて体力を回復させておかなければならない。
焼きあがった魚を食べながら周囲を警戒する。魚の焼けたにおいを嗅ぎつけてクマが襲来する可能性があるからだ。風が吹いて森がざわざわと音を立てた。
空を見上げればきれいな星空が見えている。ここまで綺麗な星空は早々見れないだろう。しばらく眺めて、思い立った。そういえば寝床をどうするか考えていなかった。
このまま寝てもいいが、流石に寒いだろう。かといって焚火を焚いたまま寝るというのも危ない。背負子の中には薄手の毛布が入っているがそれだけで大丈夫だろうか。
(汚れるから嫌だが、枯れ葉でも積み重ねるか)
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