Seen4 危険な鑑賞会

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パイプ椅子に座って向かい合う私たち。 おでこにキスをされたときにすぐ目の前まで来た昴くんのセクシーな鎖骨が遠ざかっても、相変わらず近い距離で。 膝の上に置いていた手にいつのまにか昴くんの手が乗せられていて、トクントクンと甘く疼く体に耐えながらちらりと昴くんと瞳を合わせれば、「ん?」と優しく首を傾げてくれる。 …う、カッコいい…。 直視するにはあまりに神々しすぎる昴くんからすぐにまた目を逸らして、でも、またちらりと見上げて… それを何回も繰り返していると、「ふふっ、何してんの?」って、眉を下げて笑われる。 そんな笑顔にもまたキュンとなって… 昴くんと過ごすようになって生まれて初めて感じた心臓の疼きは、もはや彼といる時の通常モードになりつつあった。 「あ、あのね…昴くん。」 「はい、どうしたの?言いたいことあるなら素直に言いな?」 「…あ、あの…引かれるかもしれない。」 「ははっ、今まで散々、美波の突拍子のない発言受け入れてきた俺が今更引くわけないじゃん。美波になら振り回されてあげるから、ほら言ってごらん?」 「うん、」 私の視線で、仕草で… 何か言いたいことがあることに気づいてくれる彼はさすがトップ俳優。観察眼に長けている。 これまで沢山迷惑をかけているのに、また無茶を言っていいものか…と、ここ数日悩んでいた事案。 でも、もうすぐタイムリミットが近づいていて、頼れる人はやっぱり昴くんしかいない。 「あのね、キスは…昴くんのおかげで少しずつ上手に出来るようになったと思うんだけど…」 「ん。」 「…えっと、…つ、次の難関が…ね?」 「…次の難関?」 「…、」
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