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う、そりゃあ…百戦錬磨の久城昴さまですものね…。
画面の中の男女で見取り稽古なんかしなくても…実践経験豊富ですよねぇ。
もやもやもやぁ…と瞬時に広がる胸の不快感。
「色んな女の人と遊んでますもんね。昴くん。」
「え、いや…言い方。」
唇を尖らせて無意識に棘のある言い方をしてしまった私に、困ったように眉を下げた昴くんは、
「でも、今はみーちゃんのお世話に手一杯だから遊んでないよ?」と、甘く囁く。
その言葉に、素直に喜んでしまう私は…本当に昴くん信者。
昴くんの遊び相手は沢山いたとしても、弟子は私だけだもん。
昴くんが他の人と遊んじゃうくらいなら…迷惑だと分かっていても私が彼の時間を奪いたい、なんて性格の悪いことを考えちゃう。
「…昴くん、」と控えめに名前を呼んで、彼の胸元の服をそっと掴む。
赤い顔で、でも目を逸らしてしまわないように気をつけてじっと昴くんの瞳を見上げる私は…
「…私…、AV持ってないです。」
「…」
恥ずかしさに耐えかねてキュッと噛み締める唇。
彼に甘えてるって分かってるけど、ここまで言えば昴くんは私の言いたいこと分かってくれるでしょ?
私の予想通り、全てを把握しているようにフッと息を漏らした昴くんは、鎖骨に流れた私の髪を指に巻きつけながら微笑んだ。
「じゃ、このあと一緒に見る?」
「…っ、」
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