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そんな私の乙女心に気づいてか、「別にいいけど」とあっさりOKを出してくれた昴くんに安堵したのも束の間、「でも、」と昴くんが彼は逆説の接続詞を口にする。
「風呂に入るって…それなりのことしていいって解釈するけど、いいよね?」
「…え?」
「本当、美波って俺をその気にさせるの上手だよね。」
「えぇぇ……?」
蚊の鳴くような声で困惑を示す私に、ふふふと不気味に笑う昴くんは、半分楽しそうに、でももう半分は少し怒っているような雰囲気。
どう反応するのが正解なのか、考えあぐねて立ち尽くしていると、
「洗面台の上の棚にタオルあるから好きに使いな?ドライヤーとかも自由にしていいから。」
「あ、うん…ありがとう」
「そのあと俺も入ろー。」
いつのまにか爽やかに微笑む昴くん。今度こそ私に後頭部を向けてテレビの電源をつけたので、私はありがたく洗面所へ向かうことにした。
手早くシャワーを済ませて脱衣所に出ると、柔軟剤のいい香りが漂うふわふわのタオルに身を沈めて、自分の鞄から下着を取り出す。
買ったばかりの可愛い下着を持ってきた。
それは、もしかすると見るだけじゃなくて実践に発展するかも…なんて淡い期待を抱いたからだ。
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